2022.05.27(金)10:45

【1】概要:
・Isophon社が1950年代に製造したと推定される傑作18cm×26m口径フルレンジユニット、P1826をバスレフ型エンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
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・P1826はTelefunken、Siemens、Loewe, Graetzなどジャーマンビンテージを代表するオーデイオメーカーの主力システムに採用されていました。
・このユニットの発売・展開後、各社はこれをベースに様々なバリエーションを生み出しました。
・このサイズのユニットとしてECスピーカーの標準原器的な存在で最も音が良いものと言われています。
・詳細は下記を参照ください。1953年製造と書かれています。
https://www.radiomuseum.org/r/isophon_oval_lautsprecher_p18262511.html
・出品のユニットは画像8の通り、上記URLに示されているものよりさらにアルニコマグネットが大きなもので非常にダンピングの効いた低音が出てきます。
・聴いた瞬間、非常に高品位で生き生きした音であることが分かります。
・マグネットが非常に大型の馬蹄形アルニコマグネットであることもレア、かつ音の良さの一因です。
・このユニットは特に低域に厚みがありベース音、バスドラムなどが非常に生々しく再生されます。
・測定上の特性も良く、ジャーマンビンテージとして最高の音の一つと思います。
・ソースは選ばずオールマイティに素晴らしい音を聴かせてくれます。
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【2】ユニット、システム仕様:
・型式:Isophon P1826
・口径:18cm×26cm
・コーン:超軽量,フィックスドエッジ
・マグネット:大型馬蹄形アルニコ
・インピーダンス:4Ω
・能率が非常に高いことから、能率を犠牲に無理やり創り出した特性ではないことが分かります。
・巧みなコーン形状、最適なマグネットサイズ、センターキャップなどの工夫で能率を犠牲にせず得られた最高の特性といえます。
・これにより入力信号に対し、全くストレスを与えずに蛇口全開の生き生きした音が出てくるものと思われます。
・状態:大きなダメージがない良品です。
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・エンクロージャー型式:背面バスレフ
・エンクロージャーサイズ:幅256mm、高さ366mm、奥行210mm
・材質仕上げ:天地側が15㎜厚のパイン集成材、バッフル、裏板はMDFです。ドリフトウッドオイル仕上げ。
・サランネット:黒のジャージクロスによる前面ネットが付属します。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子万力型圧着方式でスピーカーケーブルを簡単に、かつ確実に接続できます。

【4】音質
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・能率は高いので小出力の真空管アンプでも十分な音量が得られます。
・まず、JAZZのコンボ演奏としてソニーレッドの「out of blue」を聴きました。
・アルトサックスが前面にせりだしハードバップの熱気がいきなり伝わってきます。
・バックのピアノトリオも生き生き再生します。
・ウッドベースの低音が強力で再生を安定したものにしています。
・次に大ホールで録音されたMONTY ALEXANDERの「UPLIFT」を試聴しました。
・ピアノの低音(ペダル含め)、高音が大きなホールに反射してくる様子が良くわかります。
・ピアノトリオですがスケールの大きな演奏が楽しめます。
・クラシックとして大きなホールで録音された高品質のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・バイオリン、チェロなどのの倍音がきれいに再生されます。
・ホールの大きさがうまく再生されていると思います。
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【5】輸送
・輸送は140サイズの予定です。
・送料は着払いでお願いします。

【6】測定結果
・DCR:2本とも3.1Ωでピタリ揃っています。
・動作・周波数特性:厳密に測定し動作OKです。

【7】企業紹介
・1929年、Isophon社は、ベルリンのフランクフルターアリー56にヘルマンランメル、エヴァルトフリッツ、
  ウィリーショーングスによって回転コンデンサーを製造する会社として設立されました。
・その後拡大する無線機器業界にとって重要なコンポーネントサプライヤーとしての地位を確立しました。
・第二次世界大戦で元の製造施設が破壊された後、1945年からはベルリンテンペルホーフで生産を続けました。
・幅広い製品群には、家庭用および商業目的、たとえば駅ホール、サッカースタジアム、
  映画館、デパート、路面電車の音響補強用のスピーカーが含まれていました。
・1945年~ 1979年の期間で、Isophonは7000万台を超えるスピーカーユニット、システムを生産しました。
・おそらく世界一の生産実績と思われます。
・当時のほとんどのジャーマンスピーカーに使用されているユニットはIsophonベースと言われています。
・1955年時点において、Isophonはヨーロッパで最大かつ最も技術的に革新的なスピーカーメーカーでした。
・Telefunken、Siemens、Loewe、Graetz、Saba、Lorentzなどの主要音響機器メーカーにユニットを数多くOEMとして納品していました。
・1900年代の中盤に大活躍した電気部品とスピーカーのドイツの製造企業です。 
・出品のユニットはその最盛期の最高傑作です。
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