2022.04.09(土)16:59

【1】概要:
・1950-60年代のImperialコンソールステレオに使用されていた傑作18X26cm口径フルレンジユニットを密閉型エンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
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・ImperialはTelefunkenと関係が深く、同一の製品をImperialブランドで多数販売しています。
・このユニットもTelefunkenから調達しているものと思われます。
・Telefunken社のフルレンジとほぼ同じ構成で、コンソールシステムユニットとして最も音が良いものと言われているユニットです。
・最近、このユニットは入手難になっており久しぶりの入荷でしたが、音はやはり素晴らしいもので、感激しました。
・聴いた瞬間、非常に高品位で生き生きした音であることが分かります。
・このユニットは特に高域特性がよく、シンバルの打音などが非常に生々しく再生されます。
・測定上の特性も良く、ジャーマンビンテージとして最高の音の一つと思います。
・ソースは選ばずオールマイティに素晴らしい音を聴かせてくれます。
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【2】ユニット、システム仕様:
・口径:18cm×26cm
・コーン:超軽量
・エッジ:フィックスド
・マグネット:CKS社製,マグネットカバーに少し違いがありますが同一製品、同一仕様です。
・インピーダンス:4Ω
・実測DCR: 2本とも3.8Ωでピタリ揃っています。
・周波数特性:60~15000Hzが+-3db以内に収まる素晴らしい特性です。
・能率が非常に高いことから、能率を犠牲に無理やり作り出した特性ではないことが分かります。
・巧みなコーン形状、最適なマグネットサイズ、センターキャップなどの工夫で能率を犠牲にせず得られた最高の特性といえます。
・これにより入力信号に対し、全くストレスを与えずに蛇口全開の生き生きした音が出てくるものと思われます。
・状態:大きなダメージが無い良品です。
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【3】エンクロージャー
・サイズ:幅256mm、高さ360mm、奥行210mm
・型式:密閉型
・材質:天地側面は15mm厚のパインの集成材、バッフル、裏板はMDFです。パイン集成材は節の無い高級グレード品です。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのナチュラルオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・前面ネット:ブラックのジャージ布によるサランネットを装備しています。
・入力端子:2Pの圧着方式端子でスピーカーケーブルを簡単に、かつ確実に接続できます。
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【4】音質
・以下の感想は主観ですのでご承知おきください。
・まず、JAZZのコンボ演奏としてソニーレッドの「out of blue」を聴きました。
・アルトサックスが前面にせりだしハードバップの熱気がいきなり伝わってきます。
・バックのピアノトリオも生き生き再生します。
・シンバルの打音、余韻が素晴らしい!
・大型フルレンジから出てくる高音としては破格の音質と思います。
・またウッドベースの低音は豊かに朗々と鳴ります。
・次に大ホールで録音されたMONTY ALEXANDERの「UPLIFT」を試聴しました。
・ピアノの低音(ペダル含め)、高音が大きなホールに反射してくる様子が良くわかります。
・ピアノトリオですがスケールの大きな演奏が楽しめます。
・久しぶりに大名盤アートブレーキ―の「モーニン」を聴いてみました。
・音が良いのにびっくり。「こんなに生々しい音だったのか」と再認識しました。
・特にリーモーガンのトランペットは息遣いまで見える名演です。
・クラシックとして大きなホールで録音された高品質のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・バイオリン、チェロなどのの倍音がきれいに再生されます。
・ホールの大きさがうまく再生されていると思います。

【5】測定データ
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・60年近く前に製造されたビンテージユニットは実測での特性チェックが必須です。

[測定環境説明]
・スピーカー~マイク位置:0.5メートル
・スィープ:20~20000Hz
・赤い線が周波数強度分布です。
・横軸は対数軸で、100Hz, 1KHz,10KHzの目盛表示があります。

[特性の感想]
・左右の特性、能率はよく揃っています。
・+-3dbの評価で60~15000Hzの帯域を再生可能と読めます。
・当時のシングルユニットを使用したシステムとしては極めて広帯域でフラットな特性です。
・全帯域に亘って刺激的な音や異音が出ていないことを確認しました。
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