2022.04.09(土)17:23

【1】概要
・東独EGBが1950年代に制作した高能率ツィータユニット P551を採用したアドオンツィーターシステムのペアです。
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・EGBはRFTに統合される前の音響機器メーカーで東独のみならずECの多くの国に製品を輸出していた名門です。
・出品のユニットはミュージックコンソール、高級ラジオなど幅広く採用されていたものです。
・マグネットが強力なため能率は非常に高いです。
・大きなダメージの無い良品です。
・使用中のシステムに追加すると高域の周波数レンジが拡大するだけでなく指向性が改善されます。
・特に、Telefunken, Siemens, RFTなどのビンテージの高能率フルレンジユニットへの追加が効果が高いと思います。
・音量調整用のアッテネータ付きですのでメインスピーカーとのレベル調整が容易です。
・また今回はローカットコンデンサを簡単に交換できる機能を有するシステムとしましたので、ローカット周波数を容易に変化させることができますのでシステムチューニングが正確にかつ簡単に出来るシステムです。
・ツィータユニット以外のすべての部品は新品を採用しています。
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【2】システム・ユニット仕様
・型式:EGB P551
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・製造:1950年代後半と推定されます。
・サイズ:外形=100mm口径、コーン有効直径=90mm
・センターダンパー
・コーン:超軽量フィックスド
・インピーダンス:12Ω、アンプ、メインシステムは4~16Ωなら問題ありません。
・ユニットの状態:大きなダメージの無い良品です。
・クロスネットワーク:3.3μFのオーディオ専用フィルムコンデンサによるローカット。クロスは実測結果で約5000Hzになっています。
・クロス周波数変更機能:1.0μF、4.7μFのコンデンサをペアで同梱します。これに変更するとクロス周波数が変化し、フルレンジとの被りが解消されるなどの効果があります。実際は耳で効果を確認しながら調整ください。
・コンデンサ容量が小さいほどクロス周波数は上がります。
・変更方法:画像7の通り、2端子にコンデンサを設定すればOKです。+のスクリュードライバだけで交換可能です。
・スタンドサイズ:幅120mm、高さ130mm、奥行115mm
・材質:15㎜厚パインの集成材
・外装:120→240ペーパーサンダーで研磨後ワトコのナチュラルオイルと600番ペーパーで繰り返し仕上げ
・アッテネータ:連続可変
・接続方法:メインスピーカー入力端子、またはアンプの出力端子からケーブルを出し本システムの入力端子につなぐだけです。
・調整は、アッテネーターを右いっぱい、つまりレベルを最大にしていただき、徐々に絞っていって下さい。
・鳴っているのが控えめになったところが良いかと思います。
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【3】スタンド:
・スタンドサイズ:幅120mm、高さ130mm、奥行き150mm
・材質:15mm厚のムク上級グレードパインの集成材
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのナチュラルオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨し仕上げています。
・取り付け:ゴムワッシャーによるフローティングマウント

【4】音:
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・フルレンジユニットに追加すると非常に見通しの良いサウンドになります。
・特にシンバル、ピアノの高音域、トランペットの高音などが明快に鳴ります。
・またウッドベースの音程が明確に分かるようになります。
・指向性が改善され、軸を外れた位置でも強力な高音を得ることができます。
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【5】測定データ
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・実測DCRは2本とも10.5Ωで揃っています。

[測定環境説明]
・スピーカー~マイク位置:50cm
・スィープ:20~20000Hz正弦波

[特性の感想]
・左右の特性、能率はよく揃っています。
・5000-18000Hzは高能率で、6db/octフィルターの特性として右肩上がりで滑らかに再生していることが分かります。
・また5000Hzくらいから下の周波数は、だら下がりになりますのでフルレンジ、ウーハーとのつながりは谷間ができず自然になると思います。
・コーン型ツィータはフルレンジ、ウーハーとのつながりが自然になります。