2022.03.05(土)13:17

【1】概要:
・東ドイツのRFTが1970~80年代に製造した13cm口径フルレンジユニット、L2301をバスレフ方式のエンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
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・L2302はスタジオモニターなどに多用されていたフルレンジの傑作で13cm口径ですが低音~高音まで高音質で音楽を再生可能なユニットです。
・エンクロージャーはモニター仕様に近いがっちりした構造のバスレフで、容積は≒7リットルです。
・円柱状のポートを片側2本有しており低音再生能力を向上させるとともに音の抜けの良さを狙っています。
・音は定評があり、シングルユニットの特長を最大限発揮したものです。
・エンクロージャーのサイズからは想像できない豊かな低音が出てきます。
・高音もサブコーンにより良く出てきます。
・ボーカルなどに特に相性が良いようですが、JAZZ、クラシック全般を高い質で再生していると思います。
・点音源ですので位相の狂いがなく大編成オーケストラなども楽器が良く分離してきれいにステージが出現します。
・デスクトップやニアフィールドスピーカーとして最適なサウンドを得ることができると思います。
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【2】ユニット
・型式:RFT/VEB L2301
・インピーダンス:6オーム
・定格入力:6VA(約10W)
・口径:130mm
・コーン:超軽量ダブルコーン
・状態:コーン、フレーム、マグネットとも大きなダメージの無い良品です。
・ユニットの仕様については下記URLを参照ください。
   https://www.rft-hifigeraete.de/10320.html
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【3】エンクロージャー
・型式:バスレフ、26mm口径、60mm長さのポートを片側2本配置。低音の増強、抜けの良さを図っています。
・サイズ:幅=200mm、高さ300mm、奥行220mm、このユニットの実力を存分に発揮できるサイズです。
・材質:天地側板が15㎜厚のパイン集成材、バッフル、裏板はMDFです。内部補強を強めにして鳴りを抑えています。
・外装:150番、240番ペーパーでサンダー研磨、ワトコのナチュラルオイルと600番ペーパー仕上げ。
・オイル仕上げの良い点は、年月が経ち外装がくたびれてきたときも再塗布すれば新品の様にきれいな状態に戻ることです。
・ニスを塗ってつやを出すこともできますが、私は長期利用を目標にしていますのでオイル仕上げが気に入っています。
・天然木の響きは最高です。
・サランネット:黒のジャージ布によるサランネットが付属します。
・入力端子:2Pの圧着型端子でスピーカーケーブルを簡単に、かつ確実に接続できます。
・吸音材:裏板に装備しているタイプです。
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【4】音
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・ヴィンテージとしては耐入力が大きなシステムですので、馬力のあるEL34(6CA7)プッシュプル無帰還アンプ(20W)を使用しました。
・最初に「ヘレンメリルウィズクリフォードブラウン」を聴きました。
・ヘレンのハスキーボイスの再現が素晴らしい!
・ブラウンの輝かしいトランペットも目の前で吹いているような実在感があります。
・次に大編成バンドのCDとしてカウントベイシーの「ストレートアヘッド」を聴きました。
・大編成でかつダイナミックレンジの広い演奏を危なげなく再生できました。
・ベイシーのリリカルなピアノに続く管楽器の咆哮がJAZZの醍醐味を感じさせます。
・クラシックの小編成、大編成もうまく再現しました。
・一般的な130mmフルレンジユニットの概念を覆す130mm口径における究極のフルレンジといえるかもしれません。

【5】測定データ
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・特に海外のビンテージシステム、ユニットについては厳密な測定結果があると安心です。
[測定環境説明]
・スピーカー~マイク位置:50cm
・左右個別に同じスィープ信号で測定
・スィープ:20~20000Hz
・赤い線が周波数強度分布です。

[特性の感想]
・左右の特性、能率はよく揃っています。
・+-3dbの厳しめの評価で60~18000Hzの帯域を再生可能と読めます。
・13cm口径ユニットしてはかなりの広帯域かつ平坦な再生が可能と思われます。
・低域側はバスレフが良く効いていると思われます。