2022.02.21(月)14:54

【1】概要
・1960-70年代に製作されたRFT/VEBのダブルコーンフルレンジユニット、L2322が内蔵されたブックシェルフ、またはモニターシステム、B7135のペアです。
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・ユニット、エンクロージャーともにRFTオリジナルです。
・私も初めて入手しましたが、音の広がり、音質の良さに驚きました。
・このシステムの特徴はバッフル面積を最小にし、奥行きをかなり長く取ったエンクロージャーにあります。
・これによりバッフル面での音の回折作用が最小になり、音は後方にも大きく広がります。
・また背中合わせに横向きにセットすると無指向性のシステム(「波動システム」というのでしょうか?詳しくないので間違っていましたらすみません)になりさらに大きく音は広がります。
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・採用されているユニットはL2322で、これはRFT/VEBの13㎝口径フルレンジの傑作=L2301, L2302の後継機で、仕様・耐久性の向上が果たされた優秀なユニットです。
・大型マグネット、超軽量ダブルコーンにより構成されています。
・一般的な13㎝口径ユニットとは次元の違う本格的なHi-Fiサウンドと思います。
・音は力強く、かつ歪が少なくオールマイティに音楽を再生できるようになっていると思います。
・能率は高いので中小出力の真空管アンプでもガンガン鳴ります。
・音楽ソースはJAZZもクラシックもOKでご機嫌に鳴ります。
・夜間などの中小音量試聴、またはニアフィールド試聴に最適と思います。
・また置き方を無指向性にすることでカフェ、ショップなどのおしゃれな空間に音を広く届けることもできます。
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【2】システム
・型式:RFT/VEB L2322
・インピーダンス:4オーム
・定格入力:10VA(15W位です)
・口径:130㎜
・コーン:ダブルコーン、エッジは劣化がほとんどしない素材です。
・状態:片側のサブコーン付近に小さな補修跡があるほかは、大きなダメージはなく良好な状態。
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【3】エンクロージャー
・型式:密閉型
・サイズ:幅=160mm、高さ=152mm、奥行き=292mm
・天地、側、裏板が木目シート仕上げです。
・吸音材:音響用フェルトが充填されています。
・サランネット:黒の樹脂製枠に黒色の布が貼られたモダンなもの。外すことができます。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子を新設しましたのでスピーカーケーブルを簡単に、かつ確実に接続できます。
・状態:数か所小さな傷、打塊などが有りますが、この当時のシステムとしてはまあまあ良好かと判断いたします。
・「外観にはクレームしない」という方の入札をお待ちしております。
・レストア:内部清掃、ユニット清掃・再はんだ付け、外装清掃、オイル仕上げなどを行いました。

【4】音質
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・能率が高いので中小出力の真空管アンプでも十分な音量が得られます。
・アコースティックな音楽全般を透明感あふれる音で再生していると思います。
・点音源ですので位相特性が良く、大編成のオーケストラの再生においても、楽器の分離が良く、かつ奥行が良く出ます。
・1メートル程度以内のニアフィールドで聴いている限り低音はOKですが、2メートル以上離れるとレベルが下がります。
・次に無指向性の置き方でヒアリングしました。
・定位はぼやけますが、音が大きく広がりBGMなどには最適な音場が生成されることを確認しました。

【5】測定データ
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・ビンテージユニットを使用したシステムの場合、測定で特性を確認しておくと安心です。
(2)測定環境
・スピーカー~マイク位置:0.5メートル
・スィープ信号:20~20000Hz
・赤い線が周波数強度分布です。
・横軸は周波数の対数軸で、100Hz, 1KHz,10KHzの目盛表示があります。
(3)特性の感想
・左右の特性、能率はよく揃っていると思います。
・再生可能周波数帯域はあくまで参考ですが+-3dbの標準評価において60~16000Hzと読めます。
・小型のシステムとしては優秀な特性と言えます。