2022.01.25（火）21:21
【1】概要
・VEB/RFTが1960～70年代に制作したと推定されるフルレンジユニットツィンドライブシステム、 KOMPAKTBOX B 8116の完全オリジナル良品ペアです。
・フルレンジユニットはRFT/TONSILの122mm口径のGD12/8です。
・Ｌ2301シリーズの後継機としての強力なフルレンジユニットです。
・B8116はこのフルレンジを片側2本並列に接続したツィンドライブです。
・RFT/TONSILのフルレンジは1本でも凄い低音ができてきますが、片チャンネル2本になっていますのでこのサイズとしては最強力に近いものです。
・私もL2301のツインドライブを試みようと考えていたところに同じ構成の純正システムを入手することができました。
・ほぼ予想通りの太くたっぷりの低音が出てきます。
・また中高音も力強く、全体に太くたくましい素晴らしい音になっていると思います。
・小型のジャーマンビンテージシステムとして最高の音質、迫力のもののひとつと思います。
・当時の他のビンテージシステムとは一線を画する本格的なHi-Fiスピーカーシステムと思います。
・最近のスピーカーではなかなか得られない高能率、ストレスのない芯のある本格的なサウンドと思います。
【2】システム
・フルレンジユニット: RFT/TONSIL、122mm口径、型式＝GD 12/8
・大きななマグネットが使用されており見るからに凄い音が出そうなユニットで、実際、太く良く伸びる凄い低音が出てきます。
・インピーダンス：ユニット単体が8オーム、システムは並列接続ですので4オームになります。
・定格入力：8W
・外形直径:122mm
・取り付け穴対角：122mm
・エッジは2山の布系の素材ですので劣化は心配無用です。
・状態：4本とも大きなダメージは無く良好
・定格入力：15VA(≒25W）という強力な仕様です。
・エンクロージャーサイズ：幅=160mm、高さ=305mm、奥行き=225mm
・形式：密閉型。バッフルと裏板は固定シールドされ密閉度を上げています。
・ユニットの外周に黒い部分が見えますが、これは隙間でなく密閉用パッキンです。
・吸音材：音響用フェルトが箱内に充填されています。
・外装：ダークウォールナット仕上げシートです。オレンジのサランネットとあいまり大変明るくモダンな外観です。
・サランネット：オレンジのビンテージ布を貼ったもので、大きな汚れや傷ももなく良好な状態。ボタン固定式で、外すことができます。
・入力端子：2Pの圧着型端子でスピーカーケーブルを簡単に、かつ確実に接続できます。
・状態：小さな擦り傷があるほかは大きなダメージはなく、この時代の製品としてはきれいな方かと思います。
・レストア：内部清掃、ユニットの端子強化、固定用木ねじのゆるみ調整増し締め、ケーブル再はんだ付け、外観の傷の修復などを実施しました。
【3】音
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・音楽ソースを選ばずスケールの大きい音が得られていると思います。
・特に低音の迫力はこのサイズのシステムから出ていると思えないほど素晴らしく、音楽の根底をがっちり支えます。
・GD12/8は強力ユニットですのでラウドネスをONにしたり、トーンコントロールのBASSを上げても大丈夫です。
・定格入力値が大きいので大きな部屋でも十分な音量が得られます。
【4】測定結果
(1)周波数特性測定データ
・下記の条件で測定した結果を示します。
・実測DCR(直流抵抗値）は2本とも3,7Ωです。ピタリ揃っていますので左右の音量差も認められません。
・海外からのビンテージスピーカーユニットは不良率が高いのでインピ－ダンス、周波数特性等の厳密な測定を行っていると安心ですね。
(2)測定環境
・スピーカー～マイク位置：1.0メートル(ヒアリングポジション）
・スィープ：20～20000Hz
・赤い線が周波数強度分布です。
(3)特性の感想
・左右の特性、能率はよく揃っています。
・厳しめの+-3db評価で55～16000Hzを再生可能と読めます。
・密閉型ですので50Hz以下もレベルは下がっていきますが反応しています。
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