2021.10.20(水)22:15

【1】概要
・1950年代にTelefunkenが制作したミリタリー(軍)用可搬型スピーカーシステム、Ela SG 54のペアです。
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・エンクロージャーは鋼鉄製で、相当タフな使い方をされており、塗装の剥がれ、さびなどが出ていましたが構造自体は問題ありませんので可能な限り外装を補修し、ミリタリーカラーで再塗装しました。
・ユニットはIsophonの名器アルニコマグネットのP13/19/10で、TelefunkenへのOEM納品と思われます。
・軍用スピーカーは珍しく、形も面白くなかなか素敵ですのでおしゃれな空間にもマッチするかと思います。
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【2】ユニット:
・メーカー・型式:Telefunken/Isophon RFT、P13/19/10 フルレンジ
・コーン:超軽量フィックスドエッジ
・口径:130㎜
・インピーダンス:4.5オーム。アンプ出力は4~16Ωで問題ありません。
・状態:大きなダメージの無い良品
・左右のバッフル取り付け仕様が異なりますが同じ型番、コーンも同じユニットです。
・詳細仕様は下記を参照ください。
https://www.radiomuseum.org/r/isophon_rund_lautsprecher_p131910.html
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【3】エンクロージャー:
・型式:Telefunken ELA SG 54
・裏板の内側にあるラベルに記載されているELA L 901はトランスなどの型番と思います。
・サイズ:幅=290㎜、高さ=250㎜、奥行き=底110mm、天85mm
・材質:鋼鉄製
・レストア:サンダーでさび、汚れなどの除去を実施。ミリタリーカラーで再塗装。構造は問題ありませんので、写真の通りかなりきれいになりました。
・さびなど:裏板、取っ手固定金具の一部にサビによる欠損があります。
・ライントランスが装備されていましたが、最近では使用ニーズが無いのと、トランス自体が劣化していましたので外しました。
・従いまして入力端子にはユニットから直接のケーブルが接続されています。
・外見についてはクレームしない、という方の入札をお待ちします。
・画像9の通り、片側のサブバッフル固定ねじの1本が欠損していますが、ほかの3本で強度は確保されています。
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【4】音:
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・明るく、前に出てくる音です。
・当時としては周波数レンジが広く、ニアフィールドで聴いている分には低音高音とも大きな不足はありません。
・ボーカル、クラシックの弦などは非常に生生しい音と感じます。
・「ヘレンメリルウィズクリフォードブラウン」のハスキーボイスと輝かしいトランペットにはしびれます。
・ジャンルを問わず楽しめる音と思います。
・過大入力によるユニット破損、ビリツキ発生にご注意ください。
・裏板を外した後面開放型での使用も推奨いたします。

【5】測定データ
・出品システムの測定データを示します。
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[測定環境説明]
・スピーカー~マイク位置:1.1メートル
・左右個別に同じスィープ信号で測定
・スィープ:20~20000Hz
・赤い線が周波数強度分布です。
・線が細いので画像を拡大すると確認しやすくなります。
・横軸は対数軸で、100Hz, 1KHz,10KHzの目盛表示があります。

[特性の感想]
・左右の特性、能率はほぼ揃っています。
・アバレはありますが70~15000Hzの帯域を再生可能と読めます。
・このサイズのエンクロージャーとしては低域特性含めなかなか良好です。
・全体的に素直な特性で、音声ソース、1950-70年代のJAZZやPOPSの再生は得意そうなことが定量的に分かる感じです。
・また低域、高域が素直に減衰しているので自然な再生が期待できます。

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