2021/03/16

【1】概要:
・RFT/VEBが1960-70年代に制作販売していたRema-Box Arietta 730 の完全オリジナル、美品のペアです。
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・採用されているユニットは音の良さで著名なRFT L2301で、レアな赤バックの貴重品です。
・L2301は13㎝口径、ダブルコーンフルレンジの傑作、名機です。
・出品の個体は外観もユニットも非常にきれいです。
・このシステムはスタジオモニターとほぼ同じサイズ、形状ですが家庭用にチューニングしてあるので、スタジオモニターのかっちりした音とは異なり、音楽をふくよかで広がる楽しめる音で聴かせてくれます。
・素晴らしい!
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【2】ユニット
・型式:RFT/VEB L2301
・口径:130㎜
・コーン・エッジ:超軽量ダブルコーン、劣化しない素材のエッジ。長期的使用でも安心です。
・インピーダンス:6オーム
・定格入力:6WATT
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【3】エンクロージャー
・天側だけでなく裏面まで素晴らしい木目のチークの突板で仕上げられていて高級感があります。
・前面はアルミの上下ラインと、黒の細かい格子状のサランネットでモダンな感じです。
・サランネットを外す場合はフロント下部の穴に箸、あるいはプラスチックの細いドライバーなどを差し込み慎重に行ってください。
・サイズは、幅288mm, 高さ180mm, 奥行220mm、です。
・入力は2Pの圧着型ハーモニカ端子を新設しましたので通常のスピーカーケーブルを簡単に接続できます。
・片側の裏下に突板の剥がれの修復跡があります。
・その他は大きなダメージはありません。
・レストア:状態は良かったのですが、さらに内部、サランネット、ユニットの清掃、再はんだ付けを行いました。
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【4】音
・能率が高く、当時としては広帯域でバランスの良い音です。
・家庭用ですのでふくよかで大きく広がる音にチューニングされています。
・このサイズとは思えない質の良い低音が出てきて驚きます。
・音楽ソースは選ばず、JAZZ、クラシックともに生き生きとした音を奏でます。
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【5】RFTについて
・このユニットにはRFT、VEBが併記されていますので、当時の複雑なドイツの状況を含めこれらの関連を説明します。
・第2次世界大戦後ドイツは東西に分割されました。
・東ドイツにおけるラジオやカセットレコーダー、ステレオやテレビなどの電化製品は、通常「ラジオ電信テクノロジー人民公社(VEB FUNKWERK)」で作られていました。
・これらの商品は最低限の生活必需品であるとは政治的には見なされておらず、贅沢品に見あう価格で、製品も西ドイツに劣らない、素晴らしいデザイン、品質のものが多く存在しました。
・RFTは、戦後、東側に残ったテレフンケンやシーメンスなどの音響機器メーカーの設備やエンジニアたちを集め、VEB FUNKWERKを中心に多くの組織を1つの国営企業集合体として統合された協会名称です。
・RFTはBroadcasting and Telecommunication Technologyの略称で、ドイツ民主共和国(GDR)におけるさまざまな通信会社の製造業者協会の名前です。
・会社の名前ではありませんので誤用に注意が必要です。
・従いまして、出品のユニットは、VEBが制作しRFT協会で販売したもの、ということになります。
・RFTでは多くの優秀な技術者たちのノウハウを生かして、数多くのスピーカー、オーディオ機器が設計・制作されてきました。
・出品のユニットはその中でも音が良いことに定評があり、業務用、一般用を問わず数多くのシステムに採用されていたものです。
・赤バックはほとんど出回っていない貴重品です。
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