2021.03.10(水)22:04

【1】概要
・1960年代に製作されたRFT/VEBのダブルコーンフルレンジユニット、L2311が内蔵されたブックシェルフまたはスタジオモニターシステムです。
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・ユニット、エンクロージャー含めRFTオリジナルです。
・エンクロージャーは厚い板、強力な構造により不要な鳴きが抑えられています。
・L2311はRFT/VEBの13㎝口径フルレンジの傑作のひとつで、大型マグネット、超軽量ダブルコーンにより構成されています。
・RFTの本格的な13㎝口径フルレンジユニットはL2301に始まり、L2302へ進化し、このL2311で完成度の頂点を記録し、そのあとL2322、L2324などに発展していきました。
・出品のL2311はオリジナルのL2301の音をそのまま引き継ぎ、最大入力を大幅に改善したものです。
・このため、スタジオや大きな空間であってもL2301の音を損なうことなくそのままスケールを増大した音になっていると思います。
・一般的な13㎝口径ユニットとは次元の違う本格的なHi-Fiサウンドと思います。
・音は力強く、大音量でも歪が少なくオールマイティに音楽を再生できるようになっていると思います。
・出品のユニットは大きなダメージのない良品です。
・能率は高いので中小出力の真空管アンプでもガンガン鳴ります。
・音楽ソースはJAZZもクラシックもOKでご機嫌に鳴ります。
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【2】システム
・型式:RFT/VEB L2311
・インピーダンス:4オーム
・定格入力:10VA
・口径:130㎜
・コーン:ダブルコーン、ゴム系エッジ(劣化はほとんどしません)
・状態:コーン、フレーム、マグネットとも大きなダメージはなく良好です。
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【3】エンクロージャー
・サイズ:幅=220mm、高さ=287mm、奥行き=165mm
・材質と仕上げ:厚い木材で構成されており、仕上げはウォールナットの本物の突板です。
・塩ビシートではありません。
・天地、側、裏板すべてが突板仕上げですので縦横いずれでも使用可能です。
・サランネット:黒のヴィンテージな雰囲気が素敵なクロスによる前面ネット付きです。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子を新設しましたのでスピーカーケーブルを簡単に、かつ確実に接続できます。
・状態:小さな傷、剥がれはありますが全体としてはきれいな状態です。ワトコのオイルで傷はかなり消えました。
・なお、本システムはスタジオでなく家庭で使用されていたものとのことで、壁釣り用の穴、ペンキ飛びなどはありません。
・レストア:内部清掃、ユニット清掃・再はんだ付け、外装傷の研磨・消去、ワトコナチュラルオイルで仕上げ。
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【4】音質
・DENONの300W無帰還アンプで試聴しました。
・能率は高いので小出力真空管アンプでも充分な音量が得られます。
・以下の感想は主観ですのでご承知おきください。
・左右を2m、試聴位置から2mの状態で聴いています。
・まず1952年モノラル録音の「ナウズザタイム/チャーリーパーカー」を聴きました。
・モダンジャズの創始者の、比較的録音の良い名盤です。
・このスピーカーではアルトサックスが前面に出て来る非常に明瞭な音です。
・天才中の天才の名演を堪能できます。
・次にパーカーと同系の天才、アートペッパーのSACD「ミーツザリズムセクション」を聴きました。
・4人の楽器が見事に分離し、またステレオ効果が大変高い再生です。
・アルトサックスの押出しが素晴らしく実在感のある生生しい音です。
・当時、最高のリズムセクションもご機嫌にスイングします。
・クラシックとして高品質録音のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・フィリックス・アーヨの「四季」は落ち着いた弦の響きが素晴らしいです。
・バイオリン、チェロなどのの倍音がきれいに再生されます。
・ホールの大きさがうまく再生されていると思います。
・大きさを忘れるスケール感が出ます。
・点音源なので位相の回転がなく楽器数が多くなってもきれいに分離します。
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