2020.08.02(日)09:09

【1】概要:
・Telefunken社の1960年代初期に販売されていた、ステレオコンソールセンター(ミュージックチェスト) Hifiステレオ2550(9枚目の写真参照)のスピーカー部分に使用されていた大型フルレンジユニットのペアです。
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・Telefunken社のユニットとしてこのサイズはレアです。
・フレームはGrundigと同形ですが、コーン、センターキャップ、ガスケットはTelefunkenと推定されます。
・TelefunkenがGrundigのフレームを調達し、全体をアセンブルしたユニットと思われます。
・当時のジャーマンオーディオ界では各種の優秀な部品を調達し組み立て自社の製品としていました。
・ユニットはかなり大型ですが、高音もよく出てきて大変バランスの良い音です。
・低音は見た目どおりよく出てきます。
・ほかのTelefunkenの18×26cmと音質は良く似ていますが、コーンサイズが大きい分、低音の出方に余裕があると感じます。
・当時のドイツのコンソールステレオ、ラジオの音質は非常に素晴らしく、中小音量では現代のスピーカーに比べても同等以上と思います。
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【2】ユニット仕様:
・外形サイズ:285mm×177mm
・インピーダンス:5Ω
・コーン:ストレート、グリーン
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・コーンの状態:大きなダメージは無く、良好。片側のコーンに黒い点が見えますがダメージではなく何かのシミです。
・マグネット:DEWの大型マグネット、赤カバー付き
・ガスケット:フェルト、劣化が最小の素材です。
・センターキャップ:布製、劣化は認められません。
・状態:全体に大きなダメージはなくきれいです。
・ガスケット、センターキャップは劣化しない素材ですので安心して使用可能です。

【3】音:
・中型の後面開放型エンクロージャーにセットし、McIntosh C34V+EL84PPアンプで試聴しました。
・能率は高いので10W程度のアンプで充分な音量が得られます。
・クラシックとして大きなホールで録音された高品質のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・バイオリン、チェロなどのの倍音がきれいに再生されます。
・ホールの大きさがうまく再生されていると思います。
・低域側に重心のある安定した音です。
・1957年の録音ですが、最近の録音の様にクリアでフレッシュな音が聴けます。
・次にレファレンスCDのJAZZピアノトリオ、Pim Jacobs Trio 「Come fly with me」を試聴しました。
・クリアで良く伸びるウッドベースの音が印象的です。
・シンバルの音も大口径と思えない澄んだ音を聴くことが出来ます。
・最後に1954年録音のモノラス盤「brown and roach」を試聴しました。
・天才ブラウンの輝かしいトランペット、モダンジャズのレジェンド、マックスローチの複雑で高度なドラミングが
   昨日録音したような生々しい音でよみがえりました。
・現代的なソースでも透明感ある再生が可能と思います。