【1】概要:
・Schaub-Lorenzl社の1950年代中盤の高級コンソールに使用されていた大型フルレンジユニットを
   新作の後面開放型エンクロージャーにセットしたモノラルシステムです。
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・Schaub-Lorenzl社は歴史が深く著名なメーカーですが、ナチスとの関係や、第2次世界大戦後の全盛期、
   およびその後のM&Aなど複雑な歴史を持っています。
・最後に簡単に歴史を記載いたしますので、興味ある方は参照ください。
・このユニットはTelefunken,Isophonの著名な18cm×26cm口径フルレンジとサイズ、コーンなどが共通のものです。
・出品のシステムはステレオではありませんのでご注意ください。
・1940~50年代のモノラル音源を見事に再生できます。
・かなり大きなフルレンジですが、当時としては大変広帯域な特性です。
・当時のドイツのコンソール、ラジオの音質は素晴らしく、中小音量では現代のスピーカーに比べても同等以上と思います。
・これは欧州の規格が、米国などよりかなり厳しかったことによるものと思います。
・またAV再生時のセンタースピーカーとしても音声やソロ楽器の再生に抜群の性能を示します。
・能率は高いので中小出力のアンプで充分な音量が得られます。
・エンクロージャ-は後面開放型ですので後方にも音が広がり、モノラルのソースでも立体的な音場を楽しめます。

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【2】ユニット仕様:
・口径:280mm×180mm
・インピーダンス:4Ω
・マグネット:DEW DORTMUND 青バックカバー
・状態:良好。コーン、フレーム、ガスケットとも大きなダメージはありません。
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【3】エンクロージャー:
・サイズ:幅250mm、高さ360mm、奥行210㎜
・方式:後面開放型
・材質:樺材(パーチ)の高級プライウッドです。節も割れもほとんどありません。
・仕上げ:美しい生地、木目を活かしたワトコのナチュラルオイルフィニッシュです。
・天地側全面仕上げですので縦横いずれの使用もOKです。
・入力端子:2Pの業務用圧着ハーモニカ端子。
・ケーブル:OFCケーブル太線+Yラグ端末処理済が付属します。
・簡単に、かつ確実にアンプと接続可能です。
・サランネット:qジャージネットによる前面ネットが付属します。
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【4】音:
・1952年録音、チャーリーパーカーの「NOW'S THE TIME」を試聴しました。
・パーカーのアルトサックスがクリアに思い切り前に出てきてモノラルですが素晴らしい音場を形成します。
・パーカーの音は、まるで昨日録音してきたようなフレッシュな音に感じます。
・バックのリズムセクションはやや控えめですが、クリアに聞こえます。
・1940~60年代に録音されたJAZZ, クラシックに大変相性が良いと思います。
・映画再生のセンターに使用してみました。
・セリフがクリアに聞こえてきます。
・最近のスピーカーにはない、セリフ再生に適した周波数特性と高レスポンス性能を持っていることが良くわかります。
・写真の映像はYouTubeによるコンサートソースです。
・ここでもボーカルや楽器ソロの音をを生生しく再生しています。

【5】輸送:
・100または120サイズの予定です。 
・送料は着払いでお願いします。

【6】その他
・写真に映っているスタンドはオークションに含みません。
・到着後1週間以内に動作確認をお願いします。
・それ以降のクレーム、お問い合わせには対応できません(返答できません)のでご了解ください。

【7】補足:Lorentzの歴史
・C. Lorenz AG(1880-1958)は、主にベルリンに拠点を置くドイツの電気および電子会社でした。 
・電気照明、電信、テレフォニー、レーダー、ラジオ向けの製品を革新、開発、販売しました。 
・第2次世界大戦前、および大戦中はナチスと関係があり、いろいろあったようですがここでは触れません。戦後について解説します。
・1948年に、新生ローレンツは新たに活動を開始しました。ローレンツ本社はシュトゥットガルトのツフェンハウゼン地区に移転しました。
・1950年代、ローレンツはさらに力強く回復しました。
・オーディオ関連として1954年に、ラジオとテレビのブランド名はSchaub-Lorenzに変更されました。
・1948~58年はスピーカーなど優れた機器を次々に市場に投入し、Telefunkenなどと並ぶ主要メーカーになりました。
・1958年、ITTは、ローレンツ、スタンダードエレクトリツィテスゲゼルシャフト、その他数社を合併して、スタンダードエレクトリックローレンツ(またはSEL)と呼ばれる新会社にドイツでの事業を再編成しました。 
・1961年、同社はラジオ会社Graetzの主要株主にもなりました。
・GraetzにLorentz製のスピーカーユニットを多数納入しました。
・1987年、SELはそれまでに非常に多様化し、フランス企業と合併しました。