【1】概要:
・Loewe Opta社の1950年初期の高級コンソールに使用されていた大型フルレンジユニットを
  新作の後面開放型エンクロージャーにセットしたモノラルシステムです。
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・このユニットはIsophon社が制作しLoewe Opta社に納品したものと推定されます。
・Loewe OptaはTelefunken, Siemens、Grundigと並んで当時のビッグオーディオメーカーでした。
・ユニットの製造はコーン紙のスタンプから1953年と推定されます。
・出品のシステムはステレオではありませんのでご注意ください。
・このシステムは1940~50年代のモノラル音源を見事に再生できます。
・かなり大きなフルレンジですので能率が高く、かつ高音、低音ともによく出てきます。
・当時としてはかなりの広帯域と言えます。
・当時のドイツのコンソール、ラジオの音質は素晴らしく、中小音量では現代のスピーカーに比べても同等以上と思います。
・これは欧州の規格が、米国などよりかなり厳しかったことによるものと思います。
・またAV再生時のセンタースピーカーとしても音声やソロ楽器の再生に抜群の性能を示します。
・能率は高いので中小出力のアンプで充分な音量が得られます。
・エンクロージャ-は後面開放型ですので後方にも音が広がり、モノラルのソースでも立体的な音場を楽しめます。
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【2】ユニット仕様:
・口径:280mm×210mm
・インピーダンス:4Ω
・マグネット:馬蹄形アルニコマグネット
・状態:良好。コーン、フレームとも大きなダメージはありません。
・特徴:このユニットは、中型サイズのコンソールに複数ユニットを収めるため、
  310mm×210mmシャーシの大型ユニットの幅だけ280mmにカットしたものと思われます。
  Loeweのユニットによく見られる特徴です。
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【3】エンクロージャー:
・サイズ:幅250mm、高さ360mm、奥行210㎜
・方式:後面開放型
・材質:樺材(パーチ)の高級プライウッドです。節も割れもほとんどありません。
・仕上げ:美しい生地、木目を活かしたワトコのナチュラルオイルフィニッシュです。
・天地側全面仕上げですので縦横いずれの使用もOKです。
・入力端子:2Pの業務用圧着ハーモニカ端子。
・ケーブル:OFCケーブル太線+Yラグ端末処理済が付属します。
   簡単に、かつ確実にアンプと接続可能です。
・サランネット:黒のジャージネットによる前面ネットが付属します。
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【4】音:
・1953年ライブモノラル録音、JAZZジャイアンツ5人による、いろいろな意味で奇跡の名演「Jazz at Massey Hall」を試聴しました。
・パーカーのアルトサックス、ガレスピーのトランペットの非常に複雑で高度なソロがクリアに聞こえます。
・モノラルですがコンサーとホールの素晴らしい音場が形成されます。
・オーバダビングしたと思われるチャーリーミンガスのベースは強力すぎて少し笑ってしまいますが、
 音的には当時としては考えられないような良く伸びる重量感あふれる音が見事に再現されています。
・マックスローチのドラムソロは非常にクリアな再現で思わず興奮します。
・ビリーホリディの「レディ・イン・サテン」(モノラルバージョン)はJazzボーカルのひとつの頂点と思います。
・つぶれた声で歌うスタンダードはJAZZファンとしてはとても悲しいですが、このスピーカーではさらに鬼気迫る歌唱を味わえます。
・映画再生のセンターに使用してみました。
・セリフがクリアに聞こえてきます。
・最近のスピーカーにはない、セリフ再生に適した周波数特性と高レスポンス性能を持っていることが良くわかります。
・写真の映像はYouTubeによるコンサートソースです。
・ここでもボーカルや楽器ソロの音をを生生しく再生しています。